【業界を知る】慢性的な人手不足の救世主?!無人トラックの可能性に迫る!
みなさん、こんにちは!
運営担当スタッフです。
みなさんは、「無人トラック」についてご存じですか?
今回は無人トラックについて、簡単にご紹介します!
1.完全無人トラックについて
既存のトラックに「最短自動運送」システムを装備することで無人トラックが開発され、この自動トラックによって場内搬送における自動化が実現可能となりました。
従来 無人トラック
従来、自動搬送車は小型が主流であるがために、設置費用が高く、ルートが固定化されることで搬送ルートの変更も容易ではないという課題点がありました。
しかし、この最短自動運送システムによって無人トラックが開発されたことで、より大型のトラックでの運送が可能となり、搬送効率が上がったのです。
2.無人トラックの詳細
- GNSSによる走行軌道追従機能の搭載
GNSS(衛星情報)が、敷地内のマップに設定した走行ルートや停止ポイントなどに従ってトラックを誘導することで、完全無人走行を実現しています。
- 全方位障害物検知センサーによる停止制御
車体周辺全方位の障害物を検知する障害物センサーによって、自動で停止制御が行われます。
また、緊急時には「緊急停止ボタン」を使い外部から強制的に車両を停止させることや、タブレットから遠隔で停止操作を行うことも可能です。
- 既存トラックの有効活用で実現するコストカット
既存トラックへのシステム装備+GNSS受信機の設置で導入可能となるため、AGV(無人搬送車)に比べ低コストで導入ができます。
3.無人トラックのメリット
無人トラックには以下の効果・価値が期待されています。
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トラックドライバー不足の解消
現在はまだ場内搬送のみでの実証にとどまっていますが、自動運転技術発達に伴う無人トラックの公道使用実現と、ロボット技術・ドローン技術などを組み合わせることによって、2024年問題として現在注目を集めているトラックドライバー不足問題の解決が期待できます。
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配送効率の向上
無人トラックではドライバーの休憩時間が不要となるため、より短時間での目的地到着が期待できます。
また、無人トラックは現在活用されているものの中でも主流な小型タイプの搬送車に比べ、一度により沢山の荷物を運ぶことが可能となります。
これにより、搬送回数を大幅に減らし、効率的な配送が実現できます。
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交通事故の防止
自動運転が可能になれば、現在人為的なミスによって生じている交通事故を大幅に削減することができます。
日経新聞によれば、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は2015年2月に発表した米国を対象とした調査を行い、事故原因の約94%がドライバーに起因するという分析をしています。
このように、ほとんどがヒューマンエラーによっておこる交通事故も、自動運転の実用化がなされることで発生しなくなり交通事故が削減できると考えられます。
自動トラックの導入で、より安全性の高い配送が可能となるでしょう。
4.無人トラックの課題
このようにさまざまな効果が期待できる無人トラックですが、まだまだ宅配での実用に向けては多くの課題が残されています。
- 積み下ろしの問題
宅配先に無人トラックを使って目的地まで荷物を運ぶことができたとしても、その場でトラックから荷物を下ろす必要がでてきます。
フォークリフトの自動化やロボットの活用など自動運転の技術と合わせて、積み下ろしに関する技術の追求も同時進行で進めていかなければなりません。
このように現状では、技術面においても実用化に向けて様々な課題が存在しています。
自動配送の実現には、一つの技術のみが完成するだけでは不十分で、複合的に自動化を進めていくことが重要となります。
- 陳列への割り込みの難しさ
私たちが普段使用する公道では、車両の割り込みは往々にして発生しています。
しかし現状では、一般車両が侵入しない専用区間の確保などによって、陳列走行を維持する方向で検証が進められています。
国土交通省もこれらの検証結果を受け、今後は割り込み事例等への対応を課題点の一つとして重視しています。
車両の割り込みが許容できるようになれば無人トラックが実際に公道を走る未来はぐっと近づくでしょう。
最後に
今回は無人トラックの可能性についてご紹介しました!
宅配の需要は日に日に高まり、宅配なしの生活はもはや考えられなくなってきている今の世のなかでは、トラックは今後も重要な輸送機関であることに変わりありません。
「2024年問題」に代表される物流業界の深刻な人手不足は改善しなければならない急務であると言えます。
メリットが多い一方、課題点もまだまだ沢山残された無人トラックの実用化ですが、実現すればトラックドライバー不足の問題を解決する力強い救世主となってくれることは間違いないでしょう。
これからの私たちの生活がどれだけ便利になるのかは、自動運転をはじめとした宅配技術の向上にかかっているのかもしれません。
今後もその動向に注目していきたいですね!
<参考資料>
国土交通省、「物流・配送会社のための物流DX導入事例集」
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001609016.pdf
日経新聞、「自動運転の「交通事故削減効果」 データで読み解く自動運転が作る未来(14)」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO18664440Q7A710C1000000/?msockid=26b6737007e7689820a266500650692d
国土地理院、「GNSS測位とは」
https://www.gsi.go.jp/denshi/denshi_aboutGNSS.html
国土交通省、「自動運転実証実験の成果・課題について」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001318105.pdf
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