【業界を知る】モーダルシフトって知ってる?
みなさん、こんにちは!
運営担当スタッフです。
みなさんは、「モーダルシフト」についてご存じですか?
今回はモーダルシフトについて、簡単にご紹介します!
1.モーダルシフトについて
モーダルシフトとは、
トラック等の自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換することをいいます。
「2024年問題」が危惧されるなかで、モーダルシフトが注目を集めています。
物流>モーダルシフトとは - 国土交通省 (mlit.go.jp)
2.モーダルシフトのメリット
上記のようなモーダルシフトには以下の効果・価値が期待されています。
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CO2の削減と省エネルギー
モーダルシフトにより積載量が増えCO2排出量を劇的に削減することができます。
ヨーロッパでは1990年代以降極的に推進されています。
下記の図からも分かるようにモーダルシフトはO2排出量を削減の効果が大きい取り組みで、同時に省エネルギー効果にもつながります。 -
人手不足への対策
モーダルシフトは人手不足対策としても効果があります。
2030年度には約27万8千人ものドライバーが不足するとも予測され、深刻な状態となっているトラックドライバーの人手不足ですが、鉄道や船舶はより少ない人数で多くの貨物を運べる「大量輸送機関」であることから、モーダルシフトは人手不足の解消にも高い効果があるのです。
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交通渋滞の緩和・輸送効率の向上
モーダルシフトが進めば道路を走るトラックが減少することになり、渋滞の緩和、大型トラックによる騒音・大気汚染問題の改善などが期待されます。
また、貨物列車は決められた走行速度と時刻表通りに正確な運行を行っているので、輸送は渋滞等のトラブルもなく計画的な出荷に最適な輸送手段と言るでしょう。 -
長距離輸送での物流コストの削減
鉄道輸送や海運は輸送距離が長くなるほど割安になる傾向がありますので、500km以上の距離帯ではモーダルシフトによるコスト削減が期待できます。
輸送コストの削減や効率化により、企業の物流コストの削減や、消費者への商品価格の低減にも繋がる可能性があります。
3.モーダルシフトのデメリット
このようにさまざまな効果が期待できるモーダルシフトですが、あまり進んでいないのが現状です。
- 輸送時間の増加
鉄道や船舶は決められたダイヤ・スケジュールに従って運行されますので、トラックのように任意のタイミングで運ぶことはできません。
また、鉄道や船舶は駅または港で積み替えが発生し、更に船舶の場合は輸送スピードもトラックに劣ります。比較的高速な船でも巡航速度は時速40~50km程度にとどまるためです。
このように、緊急の輸送ニーズには対応しにくいという側面があります。
- 短距離ではコストアップになる
「メリット」で紹介したとおり、長距離の場合にはモーダルシフトはコスト削減になりますが、短距離の場合には逆に、コストアップになってしまう傾向があります。
メリットととなるのは「500km以上」ですが、この距離は東京~大阪間に相当し、物流の大動脈である東京~大阪間は、モーダルシフトによるコストメリットが生じにくい輸送距離ということになります。
この区間でモーダルシフトを実現できれば大きな効果を期待できるのですが、残念ながらコストメリットが生じにくい距離帯です。 -
初期投資の大きさや地域的な制約
新しい輸送手段への移行には、新しい設備やインフラの整備が必要となり、これには大きなコストがかかる場合があります。
鉄道輸送や海運は、そもそも利用できるルートが限られることも大きな課題です。
鉄道や船舶の利用が難しい地域や地形では、モーダルシフトの取り組みが制約される可能性があります。
4.モーダルシフト推進に向けての取り組み
このような課題からなかなか進まないモーダルシフトですが、温暖化への対策が急務となっていることから、近年、行政も推進に力を入れています。
国の「総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)」では、「モーダルシフトの更なる推進」が掲げられています。
このような大綱の方針を踏まえ、モーダルシフトに取り組む企業への具体的な支援策も用意され、代表的なものが、「モーダルシフト等推進事業」という制度です。
物流>モーダルシフト等推進事業- 国土交通省 (mlit.go.jp)
最後に
今回はモーダルシフトについてご紹介しました!
トラックは今後も重要な輸送機関であることには変わりませんが、深刻化する地球温暖化と「2024年問題」に代表される物流業界の人手不足は改善しなければならない課題です。
政府の検討会では、何も対策しなければ2030年に34%の輸送力不足が生じると推計されました。
(国土交通省>「2024年問題」への対応に向けた動き)
メリットとデメリット双方ありますが、モーダルシフトは地球環境保護と労働力不足対策のために欠かせない取り組みです。
狭い国土に鉄道網が張り巡らされ、港湾も高度に発達している日本の特性を踏まえると、トラックに過度に依存した物流の現状は大いに改善の余地があると言えるのではないでしょうか。
鉄道輸送や海運を活用することは環境負荷やエネルギー消費の削減だけでなく、働く人を含めた「人に優しい」物流環境を実現することにもなりますね!
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